ライター赤入れ!文章レッスンvol.1「いどだど」
コピーライターはちがです。
私は職業病というか無意識なのか…普段目にする折り込みチラシ、ホームページ、雑誌、ブログ記事、Facebook投稿などの文章に勝手に赤入れ(修正)をしてしまうクセがあります。
そうしていると、誤字脱字や言い回し、文章の順序に言葉のチョイス…とにかく『文章が分かりにくい』ものが多いことに気付きます。
「きっとこう伝えたいんだろう」けれど「その文章ではちゃんと伝わらない」
つまり惜しい!
一説によると「文章は対面で話す時の3割ほどしか伝えられない」と言われているんですって。
3割って少ないですよね。
確かに、文章だと声のトーンや表情、身振り手振りなどで表現することができないし、たくさん書けばいいというものでもないし、書けば書くほど軸がぶれる場合もあります。よくあります。
文章は『伝えたい情報を正しく相手に伝えられるか』これがキーとなります。
このブログテーマでは、私が実際に目にした惜しい文章などをもとに、ちゃんと伝えるための文章のポイントなどを私目線で書いていきます。
難しいことはナシにして、文章を書くことに苦手意識のある方にも読んでいただけるようになるべく分かりやすく、ちょっとした目線やコツもお伝えできたらと思っています。
誰でも今からすぐに使えるものばかりなので、文章をつくる際の参考にしてみてくださいね!
さて、私たちが文章を読むときには、文字を目で追いながら頭で想像をしています。
まずは以下の例文について、光景を想像しながら読んでみてください。
【例文】
さくら公園で、雨が降りそうな夜にユウコを見かけたのはタカシです。
いかがでしょうか?
実はこの文章は、想像が二転三転してしまう分かりにくい文章なのです。
まず「さくら公園」と言われたら、公園のイメージとして昼間を想像するでしょう。
すると次に「雨が降りそうな夜」ときました。頭の中は昼の公園からどんよりした夜へとイメージチェンジします。
そして「ユウコを見かけた」その公園に女性が現れます。
「のはタカシ」タカシかい!
ちょっと疲れちゃいますね。
『いどだど』で正しい想像へと導く
では、この例文を想像がスムーズにいく『いどだど』の順番に並び替えてみましょう。
『いどだど』とは、「いつ」「どこで」「だれが」「どうした(何をした)」の略です。
こうなります。
【いどだど文章】
雨が降りそうな夜、さくら公園でタカシがユウコを見ました。
シンプルにこれでOKです。
登場する情報の順番が正しいので頭が混乱しませんね。
この基本をマスターすれば、敢えて文章を入れ替える手法で雰囲気を変えられるのが日本語のいいところ。
【番外編】
タカシがユウコを見かけたのは雨が降りそうな夜…さくら公園だった。
なんだか恋が始まりそうな予感がしてきましたね、ワクワク!
【番外編2】
タカシ「さくら公園でユウコを見たのは、雨が降りそうな夜でした」
いきなり事件性が漂ってきます。
このように『いどだど』の順番を基本として、馴れてきたら効果的に遊んでみるのも楽しいですよ。
むかしむかし、あるところに、おじいさんとおばあさんが、(住んで)いました。
そういえば桃太郎の冒頭もいどだどです。
いどだど覚えられんとか舌噛むなら桃太郎でもなんでもいいけど迷ったらこの順番です。
次回(いつ?)は「知らんがな表現」についてお伝えします。
それではみなさん、よいライティングライフを。
ライライ〜
※こちらの文章は、理央周さん発行の電子マガジン【e-ウレシク】に寄稿させていただいたコラム『想いをちゃんと伝える文章の書き方』を再編集しております。